時間を持て余してしまう機内で
症例別・・・ではないかもしれませんが、出張などで海外にいっていたころ、そして今でも、家族旅行は別ですが、一人で飛行機に乗るときなどは、私にとって瞑想の練習に格好の時間です。
瞑想といっても座禅を組んで身じろぎしないか、というものではありません。
私にとって飛行機の中は、普段の生活に比べ、きわめて「何もしなくてもいい時間」です。
なので、普段考えられないことをつらつらと考えたり(自由な発想が浮かんできます)自分の中に空間が増えていくことをイメージしたりして過ごします。
それだけ、普段の生活に余裕がないんですね。
飛行機に乗るのが好きなのは、自分が余裕がないことを思い出せるからかもしれませんし、何もしない時間を贅沢に無駄遣いできるからかもしれません。
主人には、映画も見ない、音楽も聴かない、雑誌も読まない過ごし方はとても奇妙にみえるそうですが、やっぱりとりたて何もしないことに慣れてしまっています。
それは、どんな時間であってもいいと思うのです。
プールで泳ぐ。
お茶を飲む。
公園を歩く。
現代人を襲う魔物は「忙殺」です。まさに忙しさに私たちは知らず知らずのうちに殺されているのです。ヨガをしている時間、呼吸や体の動きに意識を向けることで、私たちは時間が過ぎることを忘れられます。私たちの不安や苦しみ、ストレスは「時間がない!」と思うことからきているものが少なくないと思います。だからこそ「時間はなくはない!」と思えたり「一瞬の中に永遠を感じる」練習をしたりすることに、もしかして意味があるのではないか、と個人的には思っています。
私自身もふだんから悠久に生きているかというと大違いで、いかに効率よく掃除洗濯をこなすかに知恵を絞り、息子に「ほら早くしなさい!」と小言を言ってしまうお母さんです。
2013.6.12