子育てに学ぶアファメーション
心とは、マッチに夢中になる子供のようなものです。
危ない!と叱っても、初めてみた、あるいは忘れられないマッチに興味津々なのです。
でも、新しく何か他に興味がひかれれば、心は無情にもそっちに移ろいます。
私たちの悩みもそんなものです。悩みにとらわれたら、他のことに目を向けさせればいいのです。ということをあたまでわかっていても、できないものです。
子育てをしていると、子供が何かに執着したときに親は「いい加減にしなさい!」と思ってしまいますが、余裕があるときは「他にもこんな面白いものがあるよ!」と他に目を向けるように誘導できるものです。これが、ヨガのメンタルマネジメントでいうところの「アファメーション」なのです。コントロールが到底できない過去や未来のことにくよくよするより、前を向きましょう!という唱え言葉がヨガで唱えられるアファメーションです。
たとえば「私は絶対煙草をやめる、タバコをやめる、たばこをやめる!」と唱えたところで、人の脳に残るのはエッセンスの「タバコ」だけなのです。
アファメーションとはそうではなく「(煙草をやめることによって)息子がにっこりしてくれるだろう」とか「(煙草をやめられることによって)ヒコウキでいろんなところに行こう」とか、まだまだ人生捨てたもんじゃない、という方向に目先を変えることをいいます。
神様に文句をいうのか(祈りが請求書になるケース)、神様に感謝をするのか(祈りが領収書になるケース)、の矛先のチェンジなのです。
あるいは辛すぎて色が消えてしまった人生に、もう一度色や光を取り戻せるよう、色彩探しの言葉の旅に出かけることかもしれません。
私自身も息子に「だめ!」と頭ごなしにいうのではなく、一緒にもっと他に楽しいことをしようと、と言えたらいいのですが、自分に余裕がないとそんなことは間違いなくできません。
それと同じように、ヨガセラピーの先生の仕事は、自分に余裕をもち、行き詰まっている生徒さんに「他の見方もあるよ」と、言葉尻で正論を唱えるだけでなく、他の見方に誘ってあげることではないかと思います。だから一番の練習は、人に教えることよりも、自分が穏やかで余裕をもっていられることなのではないのかな、と思います。
そういってしまうと、発展途上の自分が露見してしまいますが、これからの子育てにこの気づきを活かしていきたいと思います。
行き詰まらない人生はないからこそ、立ち止まり、もしかして傷ついたり、悶々ともするかもしれない(気づくことは辛いことでもあるから)けど、そこから先を見る力、それが心の生命力なのではないかと思います。