がんばるものでもない

かれこれ20年以上もお世話になっている先輩から、素敵なエピソードをお聞きしました。先輩は陶芸の教室に通っているそうです。
クラスメイトの一人が「さあ、頑張って釉薬かけるぞ！」と言ったら、先生は「そんな頑張るもんでもないから（笑）」とおっしゃったそうです。先輩も基礎の菊練りがまだマスターできず、これができないのに次のレベルに行ったら大変なことになる、と思っていたそうです。でもその先生は、できなくたっていつか時間が解決してくれるから、次に進んで楽しいとこ取りをしていけばいいんだよ、とおっしゃったそうです。
その先生は、京都に陶芸の修行にいっているあいだ、全然楽しくなかったそうなのです。言われることばかりをその通りにやって、楽しいはずがない。みなさんは楽しみにきているんだから、そんなまじめに構えないで楽しんでやればいいんです。ここにおしゃべりしにくるだけでもいいんですよ、とおっしゃったそうです。

先輩も「私は上手になりたくてここに来ているのに、先生はなんでそんなことを言うんだろう」と始めは思ったそうです。でも今は、先生が言わんとしている「時間が解決してくれる」という意味がわかってきたそうです。時間がかかるから、物事は楽しい。ヨガも、そうじゃないかな、と思いました。一日や二日で上手になることを考えなくていいと思います。今はポーズができなくても、やっているうちに何かが見えてくる。