薬箱は自分の体の中にある
現代人は、心も体もインスタントな癒しを求める傾向があります。どれだけ長い間苦しんだかを忘れ、都合がいいのです。それも仕方ない。辛いときほど魔法を夢見るのです。
地道でゆっくりした癒しだけが、自己肯定感を育むことができます。まるまるメソッドはすぐに効くかもしれないが、自己肯定感を育むまではできません。
自己啓発本や、自己啓発セラピーに参加するたび、私たちは実は不安でいっぱいです。それらが自分を楽にしてくれるに違いない、と期待しているからです。
毎日の地道な練習から逃れる言い訳はいくらでもできるのに、ドラマティックな効果が見つからなければ、すぐに諦めてしまいます。根性が足りないのです。
ヨガセラピストは、インスタントな癒しがその場しのぎにしかならないことを毅然として伝えていかなくてはならない。直接体験を経て「今この瞬間への気づき」がない限り、人の脳は繋ぎ直せないのです。ヨガのメリットは多々ありますが、実際続けることはそれほど簡単ではありません。あたまでの理解と実生活には、グランドキャニオンほどのギャップがあるのです。
でも、やっぱり自分の中にある薬箱に、本当に効く薬は入っているのです。それを一緒に探していくのがヨガセラピストの仕事ではないかな、と思います。
2013.12.19