副作用のない睡眠薬としてのヨガ
いろいろな原因がある不眠症。
ヨガのクラスで最後に行うシャバアサナ、屍のポーズ、ともファイナルリラクゼーションともいわれますが、ヨガのポーズというのは実は、このリラックス状態を誘引するためにあるともいわれています。
身体に、普段与えないような刺激をしばらく与えたあとに、思い切って弛緩することで、深いリラックス状態を誘引できるのです。私たちもいきなり「さあ、ここでどうぞどうぞリラックスしなさい」と言われてもできるものではありません。なんだかんだおやおやと伸ばしたり捻ったりするからこそ、クラスの最後にさあ、どうぞ今からリラックスしてください、と言われたときに「やったーっ」と弛緩できるのです。これがインドで脈々と伝えられてきた智慧なのです。
空腹が最大の調味料であるように、身体を動かすことは一つよく眠ることのこつです。
ストレス性不眠症の場合、問題はそれほど単純ではないかもしれませんが、心や身体が緊張しているとまず眠れません。この緊張状態はどうやって解いたらいいでしょうか。
だまされたと思って、まず親指と人差し指で鼻をつまんでみてください。そして、左の鼻の穴をあける。左の鼻から思いっきり空気を吐きます。吐ききったら自然に空気が入ってくるに任せます。空気が入ってきたら、指をスイッチ!左を塞いで今度は右の鼻の気道をつくりましょう。右の鼻から思いっきり吐いて、吸うに任せます。これをしばらく繰り返しているうちに、交感神経、副交感神経のバランスがとれてきます。
さあ、変わった呼吸法だなー、こんなんで本当に効くのかなーと思いながら、休みましょう。眠りの深さを自分でコントロールすることはできませんが、眠る準備はこんな簡単なコワザで促せます。今回はまず呼吸法を紹介させていただきましたが、簡単な身体の動かし方で、眠る前にもっといろいろ工夫をすることができます。緊張を解くテクニック、というのは存在するのです。
それでもまだ眠れないという方は、睡眠薬に手を伸ばす前に、近所のスポーツジムあるいはヨガ教室を探し、だまされたと思って体験クラスに申し込みをしてみてください。
ヨガは決して修行ではありません。そういうヨガもありますが、日本にも、もっとハードルの低いヨガクラス、人と比べるのではなく、自分自身の心と身体の健康を目指すために続けられるクラスが増えてきています。